細川夏子 ピアノリサイタル その2 晴れときどきコラム



細川夏子 ピアノリサイタル その2

演奏が始まって驚いた。
いままでに聞いたことのないピアノの音色。

雨で気圧が変化して、自分の耳がどうかなっているのかと思った。

まろやかなのだ。
そして、耳の遠くの方から聞こえる気がするのに
脳には直接届いている感じがした。

私が知っているピアノとは違う楽器のような気がした。

このホールの響き方?
スタインウェイのピアノ?
曲?
演奏?

この不思議さは私だけかどうか確かめるために
1曲目が済んで同行していた知人に聞いてみた。
「ピアノじゃないみたいですね」と話をむけると
「軽やかね〜」と返ってきた。指使いを言っているようだ。
確かに、それもあるかもね・・・

変更後のプログラムは
_____________________________
ファリャ作曲 「ファンタジー・ベティカ」
       「火祭りの踊り」

シャブリエ作曲「即興曲」

休 憩

シャブリエ作曲 絵画的小品集より
       「第1曲 風景」
       「第2曲 憂い」
       「第4曲 木陰にて」
       「第10曲 スケルツォ・ヴァルス」
       「第8曲 インプロビゼーション」

アンコールは もう一度

ファリャ作曲 「火祭りの踊り」
_____________________________

2曲目以降も、耳に何重かの膜があるように遠くから聞こえるのに
脳髄に直接響く感じが続いた。
それは間違いなく心地よい。

そして、何曲か聴いているうちに・・・
曲の最後で音の響きが長く残っていることに気づいた。
管楽器のような余韻がある。

これかもしれないと思った。
ひとつの音の下には前の音の残響があり
上にはさらに次の音の響きが重なる。
だからピアノではなく、オーケストラの様な錯覚を感じたのだ。

音色だけでなく響きを駆使している!
かなりの演奏技術なのだろう。

そう言えばプロフィールに
[ムジク・ノーヴァにて「芳醇な音色を持ったピアニスト」と好評を得る]とある。

そうか。私は音に酔っ払ってしまったのだ。
五感が遠くなり、脳に直接影響を受け心地よいなんて、正しく酔っている状態。

自宅に帰り、芳醇という言葉を調べてみた。
「酒の香りが高く、味が良いこと」・・・やっぱり〜♪

雨の中、行って良かったリサイタルだった。
脳がほぐされたような気がする。
細川夏子さんの体調の回復をお祈りします。