セミナー「うつは薬じゃ治らない!」 晴れときどきコラム



セミナー「うつは薬じゃ治らない!」その1

平成21年 3月1日 北とぴあにて
講師 “薬を使わない精神医師” 宮島賢也
聞き手 恋愛セラピスト 吾妻靖史


最近、「うつで薬を飲んでる」あるいは「飲んでいた」という人が
私の周りに増えた。はっきり話してくれた人だけで5人はいる。
・・・隠している人を含めると、どれだけの人が・・・と思う。
そのことを隠さずに話題にできるようになっただけでも
時代の認識が変わってきたように感じるが
本人達はやはり苦しんでいる。
中には薬漬けになり、そのことでさらに苦しんでいる人もいるのだ。

そういう人に接することが多くなった。
私自身はうつと診断されたことはないが
数年前それに近い状態だったことがある。
打ち込むことが出来る趣味が見つかり、深刻な状態にはならなかったが
自分の考え方の傾向・癖を変更したわけではないので
環境や状況の変化によっては、なる可能性だってあるのだ。
誰でもいつなってもおかしくない・・・
これは、身近な問題と思い参加を決めた。

講座を知ったきっかけは、吾妻靖史氏のメルマガだった。
100名を越す参加者。女性:男性比は、85:15くらい。

講師の宮島賢也氏の自己紹介。
「自分は人の話を聞く力の無い家で育った」という。
外来医師をやっているうちにうつになり、その後、家庭医をめざし
やがて、薬を飲み始めたそうだ。さらに精神科医に転身する。
今の日本の精神科医の現状は 薬の研究をした人が指導者として残っている為
薬処方中心でカウンセリングは少ないらしい。
宮島氏は自身の経験から、薬を使わない治療法を模索し
実践している。

まず初っ端で、衝撃を受けた言葉が
「うつは存在しない」というものだった。
うつという言葉を使うと問題がぼやけてしまう、とも言う。

そもそもうつとは、「脳内のセロトニンが減った状態」らしいが
その減る最初の原因はストレスらしい。
つまり睡眠薬や安定剤で症状を抑えても
もともとのストレスを解決しない限り、薬から抜け出せないということ。

だから【1】食事方法
   【2】考え方(特に自分を責める考え方の癖)
   【3】ストレスフルな人間関係
を見直そうというスタンス。

【周りの目を自分のやりたい事以上に大切にしてしまう】
       【しなくてはならない】
            ↓
            ↓
            ↓
      【自分の感じ方を大事にする】
        【やりたいからやる】

この変化遂げるまで、だいたい半年だそうだ。

その詳細は、次記事で・・・     (続く)

セミナー「うつは薬じゃ治らない!」その2

まずは
【1】食事方法の改善

過食の人は消化のエネルギーだけで、うつになることもあるって知ってました?
う〜ん、体験的に分かる気もする。
食べ過ぎるとボーッとしたり眠くなるもの。
消化に時間をとられ実際のエネルギーにはならないのだそうだ。
消化するだけで体が疲れるなんて・・・・過食、気をつけよう。

まずは午後、眠くならないような食事がベストだそう。
宮島先生、おすすめは朝バナナ♪
聞き手の吾妻氏は、朝グレープフルーツ派だとか。

とにかくフルーツは消化の負担にならないから、午前中はフルーツにする。
野菜中心の食事で、肉・脂・炭水化物は補助的に食べる。
これ「ナチュラル・ハイジーン」という考え方だそう。

参考図書にあげられていた「フィット・フォー・ライフ」グスコー出版に詳しくでているが
実は私、この本、以前に読んだことがある。
結構ページ数の多い本だが、食事の実例が多く参考になる。

 午前4時から12時までは・・・排泄の時間
 12時から午後8時までは・・・摂取の時間
 午後8時から翌4時までは・・・吸収の時間

自然のもの・水を多く含んだ物を多く食べる。
エネルギーを回復するには生のものを食べる。
そうすると、野性の勘が蘇りインスピレーションがわくようになるらしい。
午前中はフルーツ。昼食・夕食は肉やご飯を食べても良いが、あれこれ食べると消化の負担が大きい。
加工食品は死んだ食品。消化の負担も大きい。
精製された白い食品(白米・パン・麺など)は、カロリーのみで栄養がない。要注意・・・

宮島先生は、フルーツ・野菜(特に葉物)・玄米中心で、水は1日2リットル飲むという。
講演中もテーブルの上には、2リットルの水のボトルを置き
そこからコップも使わず大胆に飲んでいる!

さて、食事で一番気をつけなければならないのは「低血糖症」だそうだ。
もらった資料によると・・・
 健康な人の空腹時血糖値は80-100mg/dl程度。
 これを下回ると、アドレナリン・成長ホルモンなどが出て、攻撃的な感情や行動がでる。
 そして、最後にはストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され 血糖値を戻そうとする。
このコルチゾールは 死ぬか生きるかの飢餓的な状態になると出るホルモンで、
臓器を壊してまで血糖を出そうとする。これが過剰分泌されると、感情や記憶を司る
大脳辺縁系の機能に悪影響を及ぼす。不快な感情も麻痺するが
同時に喜びの感情や記憶能力も麻痺する。・・・

砂糖やジュースは血糖値の乱高下が起こるので危険!
甘いものが欲しいときはフルーツを食べましょう。

食事に関してだけでも濃い内容だった。

【2】考え方(特に自分を責める考え方の癖)については、次記事で→    (続く)

セミナー「うつは薬じゃ治らない!」その3

【2】考え方(特に自分を責める考え方の癖)について

考え方はどうやってできていくのか・・・

同じ話をしても 受け取り方は人によって違う。
例えば、何かを「しよう」ということになった時
  1.やりたいからやる。
  2.しなくてはならないからやる。
では大きく異なる。

もちろん「2.しなくてはならないからやる」が、自分の活力・やる気に結びついていれば問題ないが、自分を苦しめている場合もある。
そこで宮島賢也氏は「ねばならない」という考え方が、自分を苦しめているか、楽にしているかを患者自身に判断してもらうそうだ。

・・・まずは苦しいなら苦しいと気づき、さらに口に出して言える事が大事・・・

そして、苦しいのならば、どういう考え方をすればいいのかを探していく。
ここでポイントになるのは、
  1.考え方は1つではないこと。
  2.自分なりの解決法を取って良いこと。
を知ることだ。

冷静な時には当たり前と思うかもしれないけれど
迷路に入り込んでいる状態では、そうは考えにくい・・・その状態こそが症状・・・
なので、カウンセラーと共に探っていく。(書き出していく)

どういう考え方をすれば楽なのかを探していく作業は
「苦しかったら変える」「楽になったら強化する」を
繰り返しながら「したい・したくない」の基準から「やりたいからやる」に変わるまで続ける。

3週間で定着し
3ヶ月で変わりはじめ
半年で「やりたいからやる」になるそうだ。

薬を使わず、半年で変化があるならば、凄いことではないだろうか。


では何故、自分を苦しめる・責める考え方ができていくのか・・・
それは褒美で釣る教育を受けているからだそうだ。

人に気に入られていないと居場所がなくなるかもという不安、嫌われるという不安は、
自分のやりたいこと以上に周りの目を気にさせてしまうようになる。

自分を好きになる・自分を大切にする・信頼する
これらは、子供のときに親に植え付けてもらうのが良いのだが
今さら親にもらえないという人も多い。
ならば、自分で自分にあげてみよう!

カウンセラーは、安心・リラックスを提供するが
自分への信頼は、最終的には自分で獲得するものだよ・・・と導いていくらしい。

そう、薬漬けにはならなくてもカウンセラー漬けになっては意味がないので、
このアプローチは素晴らしいと思う。

宮島氏の「自分の力を侮るな!」という言葉が印象に残った。

セミナー「うつは薬じゃ治らない!」その4

最後に【3】ストレスフルな人間関係について

人間関係の選択肢はいっぱいあった方が良い。
相手は変えられない。自分も相手に変えられない。
相手に変わって欲しいなら、先に自分で魅せる。変わるかは相手が決める。
あえて「魅せる」この字を使いますと、宮島氏。

家族であっても距離感を持つ。
夫や子ども・・・など、家族であっても相手のハンドルは手放す。
友人や仕事先と違って家族という相手は変えられないけど距離は変えられるのである。
つまり、相手に対する責任を感じすぎないことが大事。
自分で選んでもらうのだ。

うつになりやすい人は、よく責任感が強いひとだと言われる。
つまり、依存的な人の標的にされやすいのである。
症状が出た時が、距離を置くチャンス・関係性を変えるチャンスと考える。
何故なら「もっと助けなければ」と思うと、困った人が集まってきて共依存・癒着の関係になってしまうからだそうだ。

心のどこかで相手を助けられない自分を責めている・・・これをキッパリと止める。
自分を許すのだ。自分を責めるのを止めれば、相手への怒りはなくなる。
優しい心を持っているんだと、自分を愛する考えにもっていく。

聞き手の吾妻氏が、面白いことを教えてくれた。
相手を責める気持ちがでてきたら
新たな罪悪感をもたないためにも
「いっぱいいっぱい」という言葉に言い換えると良いというものだ。

例えば「あの人は悪い人だ」→「あの人はいっぱいいっぱいの人だ」のように。
応用はあの人は「ひどい・間違っている・冷たい・優しくない・・・」は
あの人は「いっぱいいっぱい」なのだと認識を書き換える。

これは余裕とユーモアが生まれてくるようで、良い方法だと思う。

そう、自分自身にも使ってみよう。
ストレスフルな関係で疲れたら、「私、今、いっぱいいっぱいだ」と言う事を自分に許そう。
そして距離を置こう。
自分自身を責め続けてしまいそうな関係に。

そこで、関係は終わるかもしれない・・・
しばらく時間を置いて、違う距離で始まるかもしれない・・・
選択肢は一つじゃないのだ♪
関係性は一つじゃないのだ♪

濃い講座だった。

講師“薬を使わない精神医師”宮島賢也
聞き手 恋愛セラピスト 吾妻靖史 

お二人に感謝。